この記事の前提
まず正直に書いておくと、検索1位まで上げた元の案件は守秘義務があり、そのまま公開できません。なので同じ工程を検証用のデモサイトでもう一度なぞって、その手順と数字をここに載せます。「実案件で使った工程を、公開できる形で再現したもの」として読んでください。
再現に使った条件は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サイト | 新規ドメインの検証用サイト(1テーマ・記事6本) |
| 対象キーワード | 月間検索ボリューム約90の複合キーワード |
| スタート時順位 | 圏外(100位以下) |
| 結果 | 公開から14日で1位 |
| 制作にかかった時間 | 合計約11時間(うちAIの生成待ちは1時間未満) |
検索ボリュームの大きい派手なキーワードではありません。ただ、この規模のキーワードを確実に取る工程は、そのまま大きいサイトの部品になります。
最初にAIへ投げた内容と、その狙い
最初のプロンプトは記事の生成ではなく、キーワード選定の下調べに使いました。実際に投げた内容はこれです。
「(ジャンル名)」について、初心者が検索しそうな質問を
「悩みが具体的な順」に30個挙げてください。
条件:
- 一般名詞1語(例:「保険」)は除外
- 3語以上の組み合わせになる質問を優先
- それぞれ、検索した人が「最終的に何を決めたいのか」を1行で添える
狙いは2つあります。1つは、AIが持っている「よくある質問」の網羅性だけを借りること。もう1つは、最後の条件で検索意図(何を決めたくて検索したか)を言語化させることです。キーワードの文字列より、この「決めたいこと」のほうが後の構成づくりで効きます。
30個の候補から、実際の検索結果を1つずつ見て選びました。判断基準は単純で、1ページ目にQ&Aサイトや個人ブログが混ざっているかです。企業の専門記事が10本並んでいる場所に新規サイトで挑んでも勝てません。今回選んだキーワードは、1ページ目のうち4枠がQ&Aサイトと掲示板でした。ここなら勝てます。
AIの出力で使えた箇所、使えなかった箇所
構成案と本文の生成では、使える部分とそうでない部分がはっきり分かれました。
使えたもの
- 見出し候補の網羅。人間が思いつかない切り口を拾う目的では優秀でした
- 手順の言語化。「やっていることを文章にする」速度は人間の数倍です
- 表の整形。比較表の下書きは9割そのまま使えました
使えなかったもの
- 一括生成した本文。5,000字をまとめて書かせると、中盤に根拠のない一般論(「〜することが大切です」の連続)が必ず入りました
- 具体的な数字。実測値を持っていないので、数字が必要な箇所は全部こちらで埋める必要があります
- 検索結果の現状分析。当時の上位10件が実際に何を書いているかは、人間が読むしかありませんでした
つまりAIに任せられるのは「書く」の部分だけで、何を書くかの判断と、書いたものの検証は工程として人間側に残ります。ここを渡してしまうと順位は動きませんでした。
時系列の全工程(14日間)
やったことを日付ベースで並べます。
1〜2日目: キーワード選定と検索結果の読み込み
前述のプロンプトで候補30個→実際の検索結果を全部見て1個に絞りました。ここで一番時間を使っています(約4時間)。上位10件の記事は全部読み、「どの記事も検索者の最後の疑問に答えていない」点をメモしました。今回の場合、比較情報はどの記事にもあるのに、「自分の場合はどれを選べばいいか」の判断基準を書いた記事がゼロでした。ここが空き地です。
3〜4日目: 構成づくり
メモした空き地を軸に、見出し構成を手で組みました。そのうえでAIに「この構成の抜けを指摘して」と逆向きに使います。構成をAIに作らせて人間が直すより、人間が作ってAIに監査させるほうが、意図がぶれませんでした。
5〜7日目: 本文を見出し単位で生成
1見出し1プロンプトで書かせます。指定したのは「この見出しで答えるべき質問」「入れる事実」「文体(です・ます、断定、煽らない)」の3点です。生成→事実確認→手直しで1見出しあたり30〜40分。6記事ぶんを3日で作りました。
8日目: 内部リンクと公開
記事同士を機械的に相互リンクさせるのはやめて、「読んだ流れで次に知りたくなる記事」へのリンクだけを本文中に置きました。1記事あたり2本です。全ページからまとめページへ1本ずつ。この形にした理由は後述します。
9〜14日目: 計測と修正
公開の3日後に対象キーワードで38位に初登場。ここからSearch Consoleの表示回数と掲載順位を毎日記録して、タイトルを1回だけ修正しました(検索結果での表示回数は出ているのにクリック率が1%未満だったため、タイトル前方にキーワードを寄せた)。修正の2日後に11位、その3日後に3位、14日目に1位です。
順位の動き(実測)
| 日 | 順位 | やったこと |
|---|---|---|
| 公開日 | 圏外 | 6記事+まとめページ公開 |
| 3日目 | 38位 | 初登場を確認。何もしない |
| 6日目 | 31位 | CTR 0.8%を確認、タイトル修正 |
| 8日目 | 11位 | 何もしない(順位変動を待つ) |
| 11日目 | 3位 | 内部リンクの文言を1箇所調整 |
| 14日目 | 1位 | — |
「何もしない」と書いた日が大事です。修正のたびに順位は数日単位で動くので、毎日いじると何が効いたのか分からなくなります。1回直したら最低2日は待つ。これも工程の一部です。
一番効いた1手はどれか
タイトル修正でも本文の質でもなく、キーワード選定の4時間だったと考えています。理由は消去法です。本文の質が同程度でも、1ページ目に企業記事が10本並ぶキーワードでは38位にすら入れません。逆に、勝てる場所を選べていれば、本文の細部が7割の完成度でも上位には入ります。今回のタイトル修正が効いたように見えるのも、「勝てる場所で戦っていたから修正が順位に反映された」だけです。
AIはこの4時間を短縮してくれません。候補出しは速くなりますが、検索結果を読んで空き地を見つける部分は人間の作業のままです。逆に言えば、ここをやるかどうかがAI制作サイトの差になります。
今日できる最小の一手
自分のサイトで狙っているキーワードを1つ、実際に検索してください。そして1ページ目の10件について「企業サイトか、個人・Q&Aか」だけを数えてください。所要5分です。
企業記事が8件以上なら、そのキーワードはいったん置いて、もう1語足した複合キーワードで同じことをやり直す。Q&Aや個人ブログが3件以上混ざっていたら、その10件を全部読んで「答えきれていない疑問」を1行メモする。ここまでやれば、この記事の1〜2日目と同じ地点に立てます。
この工程の続き(構成テンプレとプロンプト実物)が欲しい方は、メールかXのDMで「テンプレ希望」と送ってください。自分のサイトでどこから手を付けるべきか分からない場合は、診断で見ます。